その4 藤本君とマカダムンムン

 <小学校卒業を前に毎日遊びほうけていた。88仲間の藤本君は、早稲田の付属に行っちゃうのか・・・。>

 当時88を持っていた友達は、ふくちゃんのほかに、藤本君というちょっと裕福な家庭の友達がいた。クラスも同じで、物知りでひょうきんな男であった。88の話題などで毎日盛り上がっていた。また当時パソコン(マイコン)使い→頭が良いという図式に当てはまる成績も優秀なヤツだった。88に関係ないが、当時2人の間で流行っていたのは「マクドナルド」の4択クイズカードを「サンデー」1個(100円)を買って1枚もらい、本屋や図書館で答えを調べ賞品の「ポテト(S)」や「ビックマック」をもらうことだった。

 藤本君はmkUユーザーだったので、私はSRを買うまで、藤本君家で、「新竹取物語」や「サンダーフォース」などをやらせてもらっていた。裕福な家らしく、おやつにケーキが出た覚えがある。でもSRを買ったとたん「FM音源ってすごいんだな」とうらやましがられて、ちょっと得意になったこともあった。あほな小学生だった。

 卒業式をひかえたある日となり町にゲームのレンタル屋があるらしいという話を誰かから聞いた。早速藤本君といってみると、レンタル屋出始めのころで、ゲームと「マジックコピー」を一緒に貸し出すタイプの店だった。このレンタル屋には中3の終わり位に、つぶれるまで、非常にお世話になった。最後はレンタル自体やばかったらしく(当たり前)定価で売って、次の日に9割の値段で買い戻す方式になっていた・・。ちゃんとゲーム購入していた方々、ゴメンナサイ。
 
 それから88ライフがさらに充実していったが、レンタル屋で気になるソフトがあった。「マカダム」というそのソフトはちょっと高いところの棚にあり、パッケージに女の人が写っていた。

「か、借りて、ゲームしてみたい!」
小学生の青い衝動は、おさえきれずに藤本君と相談し、ついに借りに行くことになった。隣町までチャリンコを走らせる私と藤本君とクラスの同級生2人(なぜか)。

 4人は店に入り、「誰がカウンターにもっていくか」という、今では平気でAVも借りられるおじさんになった私ですが、当時としては非常に重大な事項について、会議をはじめた。
結局、88ユーザーの私が借りて返すのが自然ということで話が落ち着いたのは約20分後。なんともパッケージが実にいやらしい。誰か他の人に見られてはいないか?親などにばれやしないか?(んなわけない)。冷や汗をかきながら勇気を出して、パッケージをカウンターの兄ちゃんのところへ持っていくと、

「18歳未満はレンタルできないよ」

というあっけなく冷たい言葉。

絶望に打ちひしがれるような気持ちの4人は悶々としたまま、家路にチャリンコをとばすのであった。(つづく)

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