その3 ぼくとアキラ先生

 <友達が次々と遊びに来ては、一緒に88ライフを過ごしていた。野球狂の対戦に飽きる頃には、もう小6の冬になっていた。>

 毎日毎日88漬け。アクションに飽きれば、アドベンチャー、アドベンチャーに飽きればシュミレーションと寝る間をおしみ88ちゃんをやっていた。

 その当時は、「ベーマガ」「PIO」「I/O」「テクノポリス」「ログイン」など、あらゆるPC雑誌を買っていた。そして、ゲームをしていないときでもゲームの世界にどっぷりとつかっていたのである。学校でもプリントの裏に「チュン君」の絵を描いて練習していた。

 その雑誌により私は、かの「山下章先生」に出会うのであった。アドベンチャーのヒントを教えてくれるただの人かと思っていたが、レビューや「パソコンサンデー」などで、多才な才能を発揮しているのを、小学生の私は憧れのまなざしを送り続けていた。余談だが「パソコンサンデー」の「アリオン」の攻略で洞窟の中でなにをしたら良いか解からない質問の答えを先生は答えてくれていた。私もそこで詰まっていて解けなかった「アリオン」をやっと解いた覚えがある。すごく感謝した。

 「チャレンジADV&RPG」や「アドベンチャーゲーム必勝本」など買い揃え、「ブラックオニキス」特集ではじめて、RPGの世界に踏み入れた。今まで体験したことのない興奮でますますSRの前から離れられなくなっていた。なんどもクラーケンに瞬殺されたが、面白さにしびれていた。「ザナドゥ」「ハイドライド」にもはまり続けた。

 
 将来はアキラ先生みたいにゲームにかかわった仕事をしたい。単純にそう思っていた私は、もう小学校を卒業しようといていた。(つづく)

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