その12 大ダコさん、こんにちは

 <それは1枚のピーコDISKから始まった。>

 
SRちゃんが我が家に来た当時、親の友人からもらった沢山のピーコDISKでゲームをしていたのは前述のとおり。そのなかでも、説明書がなくても遊べるアクションやシューティングは簡単に遊べて良いのですが、ロールプレイングゲームは当時ゲームシステムや操作方法もわからず、プレイするのを後回しにしておりました。
 
 ある日風邪で学校を休んだ時、あまりにもアクションゲームなどで遊ぶ事に飽きてきて、とうとう禁断の”よくわからない”「ブラックオニキス」と書いてあるディスクを手に取りました。ディスクアクセスすると最初に画面に表示されたのは「カラー」か「モノクロ」かを選択する画面。

「ばかにするなぁ〜!うちの子はSRちゃんだぞ!」

 当然[C]のカラーを選ぶと、今度はディスクドライブが1台か2台かを聞いてきます。

「ばかにするなぁ〜!うちのSRちゃんはmodel30だぞ!」

などと下らない事を言いながら待っていると、ビープ音が鳴り目の前に「ブラックタワー」が!そこからキャラクターメイクやパーティー編成に1時間以上も掛けながらやっと「ウツロの町」へ・・・。 (ちなみにうちの最寄のバス停は「ウツロ」です)
 降り立ったウツロの町はいたるところに「英語」の看板があり、英和辞書を片手に町をウロウロしていると、

「ナニカ チカヅイテキタ!」

初めての遭遇は人間だった。 話しかけてみると、なんといきなり襲ってきた!!!
・・・。戦闘は勝利したが、おいおいナンだこのゲーム?人間同士で殺しあうのか?RPG初体験の私には衝撃的な初戦闘であった。
しばらくウツロ町人を片っ端から殺戮しながら、「GOLD」がほとんど増えないことに気が付く。すると地下への道を発見、墓地の下を下りてコボルトを倒しGOLDを手に入れる事が出来た。あぁなるほどね。そういうことね。

 RPGでの楽しみの一つである「GOLD&経験値稼ぎ」を満喫すること数時間。こんどは井戸発見!隅々まで探索して、ここでもたんまりGOLD獲得。そして井戸の一番下に下りてみると・・・。



キョアー!☆一撃かよ、オイ!いつかお前を倒してやるからな、待ってろクラーケン!


 それからというものの「通り抜けることの出来る壁」を発見せず、墓地と井戸のみの修行で地下5階のクラーケンを倒し、カラー迷路まで到達するという、へんてこりんなプレイをすること約1ヶ月。ブラックタワーに到達するも、あまりに敵が強く途中でゲームを投げ出してしまいました。何度テクポリの改造を使おうと思ったか・・・。

 しかし「RPG」の魅力に取り付かれ、初めて方眼紙にマップを書いたのもこのゲームだし、SRちゃんの設置場所の関係で私の体がディスプレイに対して横を向いてプレイしていたのですが、長時間プレイしすぎて3ヶ月後には腰の骨がゆがむという非常事態宣言が発令されたのも、このゲームのおかげでした。トホホ。


 あれから20年。先日携帯アプリで念願の「ブラックオニキス」を発見することが出来ました。でも当時ウツロの町に舞い降りた私の戦士達は、私の実家にある5インチのキャラクターディスクにいつでも戦闘準備OKの状態で未だスタンバイしていると思います。
(つづく)

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